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セミナーレポート|人生100年時代の子育て法 ー自尊心とコミュニケーション力を育てるー

講師: ロンドンジャパングリーンメディカルセンター総合診療科 小谷信行院長先生

●冒頭の挨拶
これまでは人生80年と言われていた。これからは人生100年時代。100年をどう生きるか?が大事。いい大学を出て、いい企業に入ったからといって幸せになれるわけではない。それだけでは幸せにはなれない。これからの長い人生をどうやったら幸せに生きていけるのか?そこにポイントをおいて話す。キーは『自尊心』と『コミュニケーション力』の二つ。

●日本とイギリスの親子事情
これからは人生100年の時代になる。
親子の繋がりが強い(依存性が高い?)日本では、老後誰に面倒をみてもらうかという心配が度々話題になるが、イギリスでは子どもは誕生した時から「個」として扱われる。故に親子の関係はそれぞれが独立して考えられる。老後も自身のライフステージとして親自身が考えて過ごすため、そこに子どもが面倒を見るという形で関与することはない。

●3つの無形資産
・生産性資産 スキル 知識
・活力資産 心身の健康 家族 パートナー 友人
・変身資産
ここでいうパートナーとは結婚相手などにとどまらず、家族以外で自分の事をきちんと理解してくれている人間を指す。それは人生を送る上でキーパーソンとなるべく人で、1人以上を持つことが望ましい。

●100年時代の子どもたちに必要なもの
【自尊心】
何が好きで何が嫌なのか、そういったことを自分自身で知っていて、表現できることがとても大事。誕生から長い期間、親子の繋がりが密な日本においては、常に親が傍にいるというシチュエーションが多いため、子どもは無意識に親の影響を受けやすく「個」としての成長に繋がりにくい場合がある。

【コミュニケーション力】
大事なことは二つ
① 愛してる人に愛してると愛を伝えること
② 嫌なものを嫌と伝える力
→子どもが「イヤだ!!」と言ってきた時にカッとして頭ごなしに怒るのではなく、嫌だったのはわかるよ、と受け止めてあげて、「でも、あなたならもっと◯◯して伝えられるはずだ」と嫌の正しい伝え方を教えてあげること。

●新しい自我の形成期
形成期の脳はまだまだ未熟。いろんな思いはあっても、それをどう伝えていいのかわからないし、できない。それを学んでいる途中。だから小さい子は泣いて、イヤだ!と叫んでみるし、思春期にはそのモヤモヤをどうしていいのかわからず、それが反抗的な態度(反抗期)として出る。
この時期にとっても大事なことは『待つ』
こと。発達の芽が出る時は必ず時間が必要。できないことでもずっとやめずに続けているといつか必ず芽が出る。昨日までできなかったことが今日いきなりできるようになる。それが子ども。それまで焦らずに待つことも大事。

●同じにするものと変えるもの
【変えるもの】
叱り方、褒め方
・叱る時はなるべく低いトーンで静かに。
叱る理由をくどくど話しても全然聞いていないのであまり意味はない。叱る時は結果を、どうしなければならないかを教える(例→靴を散らかさないで!ではなく、靴を並べようね、結果を教えることで何をしなければはらないかを理解させる)

・叱る場合には3つある
①5分以内→きついことやすぐ言わないとわからないこと。命に関わること
②60分以内→ ちょっとクールダウンしてからでも通じること
③数日後

・褒め方と叱り方の割合は通常時は半々50:50が望ましいが、ひどく落ち込んでる時や具合の悪い時などは80:20と比率を変えるといい。

●質問タイム
◯最近娘のワガママがひどい、どうしたらよいか?
→ワガママと言われる時期は自分の中での好き嫌いがしっかりでき始めてきたことを意味しており、それだけ成長しているということ。個の表現であり大いに大歓迎。ただ、とはいっても行き過ぎたり、ここまではちょっと、、、と親が思うところがあればそれはコミュニケーションをもう少し深めて、自分で選択させるということをしてみるとよい。

◯ロンドンと日本の教育の違いと、それぞれのメリット、デメリットについて
→日本の教育の良いところは集団制。1人はみんなのために、みんなは1人のためにという精神が根付きやすい。これは日本の教育の良いところ。だが、故に個の形成に関しては弱い。イギリスは知力に加え、パーソナリティも含めてその人を評価するため、単に知力が高いだけではいい学校や大学には入れない。また、伸びると見込んだ者にはハイレベルの教育が、施されるが、そうではない場合は並以下の場合も多く、その差が激しい。

◯子どもの進路を公立校と私立と悩んでいる。どう決めたらよいか?
→一番大事なことはその子がその学校に行きたいか?ということ。だから候補の学校に子どもを連れて行き、いろいろ触れさせて感じさせて選んだ方がよい。

◯園などでいじめのような場面を見た時、周りにいる大人としてどう接するor対処した方がよいのか?
→いじめはどこでも必ず起きる。でもそうやって揉まれて、そのような経験を積みながらみんな成長していく。大人が関与して表面上だけ収まったように見えても、水面下でははらにひどくなっているということもある。大人が関与するのはなかなか難しい。ただ、あまりにもひどい場合は転校するなどしてその場から離れるのが得策。

レポート作成協力
浜本 春華