イベントリポート|子どもの自尊心とコミュニケーションスキルを育てる育児講座 第4回『英国の予防接種』

2018年6月13日(水)
ジャパングリーンメディカルセンター小谷院長先生
Himemama コラボ企画
~子どもの自尊心とコミュニケーションスキルを育てる育児講座~
第4回『英国の予防接種』を開催しました!

講義の前半は英国と日本の予防接種の違いについて、詳しくお話しいただきました。
日本になく、英国では小児定期予防接種に組み込まれているワクチンのひとつが、髄膜炎菌B型(Men B)。英国では毎年500名から1700名の乳幼児が発病し、10名に1名が死亡、そうでない場合も重度の障害が残ることがあるため、イギリスに長期滞在する場合は接種が望ましいとのことです。
もうひとつ、日本と英国で違うのが、MMRワクチン(麻疹・おたふくかぜ・風疹)。日本では定期接種に含まれるのはMRワクチン(麻疹・風疹)のみで、おたふくかぜワクチンは任意接種です。
逆に英国で定期接種に含まれないのは水痘ワクチンと、B型肝炎ワクチン(2017年8月生まれ以降はイギリスでも定期接種に)。
ワクチンではなく実際に罹患することで、免疫をつけさせようとする考え方も一部には(宗教上の考え方など)あるそうですが、ワクチンに使われている菌は「不活性」で、体に重篤な症状を引き起こさないようにできているので、当然ながらワクチンで予防することが望ましいとのことでした。また、水疱瘡や麻疹は、ワクチンを2回接種しないと効果が弱いため、決められた回数接種する必要があります。日本では麻疹のワクチンが2回接種になったのが近年のため、免疫が完成していない人がかかってしまい、繰り返し流行を引き起こす理由になっているのだとか。
英国はワクチンに関して、リスク対効果の考え方が徹底しているため、費用と副作用等のリスクに対し、予防の効果が高いと検証されたものが定期接種に含まれています。自分や自分の子どもがかからなければ良いわけではなく、社会全体で病気を撲滅していくためにも、ワクチンは欠かせないのですね。

後半は恒例の質問タイム。先生の和やかな雰囲気に、皆すっかり打ち解けて、たくさんの質問が飛び出しました。
・イギリスに永住予定で、日本には里帰りなどで短期滞在するだけの場合、日本脳炎ワクチンの接種は必要か?
→養豚場の隣に滞在するなどでない場合は不要。
・日本・英国以外の国で生まれた場合の予防接種はどうすれば
→国によって制度が異なるため、病院で相談を(グリーンメディカルでは、いつ、どんなワクチンを接種すべきかがわかるワクチンシートを作成してくださるそうです。)
・子どものイヤイヤ期はどう乗り越えたらいい?
→それぞれの子どもにこだわりポイントがある。そこを尊重すること。ずっとやらせておけばこだわらなくてもいいかな、と子ども自身が納得して前に進めるタイミングが来る。
・子どもがご飯を食べない
→唾液が少なくてパサパサした触感を嫌がっている可能性も。味覚が敏感な証拠なので、気に入ったものがあればそれを与え続けても問題ない。無理やり食べさせるのが一番良くない。知らないものを口にいきなり入れられるのは恐ろしいこと。食べる前に子ども自身が食べ物を観察できる手づかみ食べも有効。高齢者が自分で食べられなくなると一気に老け込むように、自分の意思で食べることは生きることの基本。
→ながら食べは良くない?
規則正しい生活をするのが大事。中でも最も重要なのは起床時間。いつから、などと言わずもう今日から始めて!とおっしゃる一方で、旅行や帰国など毎日ぴったり同じ時間にできないのはしょうがない、とおおらかなのが先生の素晴らしいところ。規則正しい生活が大事、と保護者が理解していることが重要。

肩の力がふっと抜ける、先生の楽しく温かいトークは必聴です。
今後も様々なテーマの講座を開催していく予定ですので、こんな内容を聞きたいなどご意見がございましたらスタッフへお知らせください。そして優しい小谷先生と、Himemamaメンバーに会いにきてくださいね。

文・松田東子